八王子市初沢町のうえの整形外科|リハビリテーション科、リウマチ科

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骨粗鬆症

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患とされています。日本国内の骨粗鬆症の患者数は約1280万人と推定されています。(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より)骨粗鬆症になると、背中や腰の痛み、背骨や足の付け根の骨折などにより、寝たきりになることがあります。「骨折・転倒」は、介護が必要のなる主な原因のひとつになっています。また、大腿骨近位部骨折による生命予後は、1年生存率が89.5%とされています。2000年以降欧米では大腿骨近位部骨折の発生率は低下していますが、わが国では未だに増加傾向です。これも、骨粗鬆症に対する予防・治療に対する意識の低さが原因と考えられます。

骨粗鬆症とは

診断

骨折の既往歴を聴取して、無症候性の脊椎圧迫骨折の有無をレントゲンで確認します。次に骨密度測定機にて骨密度を測定します。当院では前腕骨で測定します。診断基準は脆弱性骨折がある場合、椎体骨折や大腿骨近位部骨折ではその時点で骨粗鬆症と診断します。その他の脆弱性骨折であれば骨密度でYAM(20-44歳の骨密度の平均値)が80%未満であれば診断します。また、脆弱性骨折が無ければYAMが70%以下で骨粗鬆症と診断します。また、血液検査で骨形成マーカーや骨吸収マーカー、ビタミンD3などを測定することによって骨代謝の状態を知ることができ、薬物治療の選択や効果判定についても利用できます。

治療

食事指導
カルシウムは必要不可欠な栄養素で700-800mg/日の摂取が勧められます。しかし、サプリメントなどでの高容量のカルシウム摂取は心血管疾患のリスクの可能性もあるため、注意が必要です。また、カルシウムが腸管で吸収する為にはビタミンDが必要です。特に高齢者でのビタミンD不足が問題で、脂質の吸収低下、皮膚でのプロビタミンDの生成減少、日光暴露の減少などが考えられます。また、骨の形成作用するたんぱくにはビタミンKも必要となります。骨粗鬆症の食事では、エネルギーおよび栄養素をバランスよく摂取することが基本です。

薬物治療
現在、多くの骨粗鬆症治療薬が使用可能となっています。また、投与方法や服薬剤形なども工夫され、治療継続率の向上に工夫がなされています。中心になる薬剤は骨吸収抑制剤であるビスフォスホネート薬(BP製剤)とデノスマブがあります。1995年(日本は2001年)にBP製剤が登場してから、骨粗鬆症の薬物療法の成績は飛躍的向上し、骨折予防効果や骨密度の上昇などが観察されるようになりました。また、これらの薬剤に活性型ビタミンD3を併用するとより効果があるといわれています。選択的エストレゲン受容体モジュレーター(SERM)と呼ばれている閉経後骨粗鬆症治療薬もあり、比較的軽度の骨粗鬆症患者様やBP製剤が使用できない患者様に投薬されることがあります。また、骨形成促進剤として副甲状腺ホルモン薬であるテリパラチドがあります。脊椎椎体骨折に対してもっとも強い骨折抑制効果があり、重度な骨粗鬆症患者様やBP製剤を仕様していたにもかかわらず、脆弱性骨折を生じてしまった患者様に投薬されることがあります。